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■Prologue

 世の中には、死んで惜しまれる人間と、死んでも惜しまれない人間の二種類しかいない。
 そんな中で、俺は圧倒的に後者であると言う事を自覚していた。
 ただ、その答えがわかるのは、60年後くらいかな、と予見していた。
 平均寿命くらいは生きて、凡庸な生活の中で、ガンあたりの病気でひっそりと……って、そんな感じで。
 でも、まあ、世の中思い通りに行かないことなんて腐るほどある訳で。
 現実はと言うと、俺は19歳の身空で、今まさにこの世を旅立とうとしている。
 多分。
 車に正面から跳ねられりゃ、な。
 意識が残ってるのが不思議なくらいだ。
 驚いた事に、痛みはない。
 って言うか、恐らく感じてない。
 目も、開けてる筈なのに見えん。
 白いのか、黒いのか。
 それさえわからないのは、脳ミソがなくなってるからか?
 ただ、ほんの一瞬、赤い光が見えた気がした。
 救急車のパトライトかもしれない。
 って言うか、間違いなくそうだろう。
 俺を跳ねたのは、その救急車だしな。
 でも、その赤も直ぐに見えなくなった。
 音が鳴ってる。
 サイレンじゃないし、声でもない。
 雨音。
 雨が降ってた訳じゃないのに。
 ザー、っと。
 その音だけが聞こえる。
 そろそろ、かな。
 果たして俺は、どっちの人間なのか。
 もう考える力は残ってない。
 でも、まあ、別に良いか。
 答えを知る事も出来ないし。
 知ったところで、きっと胸糞悪いだけだ。
 そう言う答えなんだろうと、霞のような意識を無理矢理手繰り寄せて思った最後の思考が、俺の誰にも知られる事のない、辞世の句だった。
 

■本編


前編

後編

エピローグ





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