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■Prologue

 自分の身体が死に絶えていく事が、はっきりとわかった。
 当たり前のように動かせていた右手が、左手が、右足が、左足が、殆ど思うように動いてくれない。
 指を動かす為に込めた力は、肘にすら届かず。
 背中に痒みを覚えても、喉の奥に違和感を抱いても、それを正常な状態に戻したいという意識すら、働かない。

 それはつまり、健康を放棄したという事。

 身体は悟っている。
 もう、元に戻りはしないのだと。
 そう教えてくれる。
 結局のところ――――ここまでという事だった。

 幼い頃に思い描いた夢は、実はそういう形の幻だったと知り。
 それでも、絶望する暇もなく生きて来た人生。
 そして、数多の挫折の果てに辿り着いた、今日。
 ここがその終着点というのは、皮肉でもあり、本望でもある。

 ただ、納得は出来なかった。
 納得して、諦観して、そしてこれまでの事を振り返る。
 そうする事も必要なのかもしれない。
 そうする事で、報われる何かがあるのかもしれない。
 けれど、そこまで悟る事は出来なかった。

 思い通りに身体が動かない事。
 それが歯痒い。

 目の前にある危機を解決する為の一助となれない。
 それが歯痒い。

 未来へ向けて語り合う事が出来ない。
 それが歯痒い。

 ――――それでも夢は叶うと、嘯く事が出来ない。
 それが、口惜しい。

 まだ志半ば。
 いや、その意識すら、実は薄いのかもしれない。
 自分がいなくなる。
 それが恐ろしい。
 それこそが本心だった。

 自分がこの世から消えるという事には、二つの意味がある。
 一つは、自分が世界を感知出来なくなるという事。

 つまり。

 見て、嗅いで、味わって、聞いて、触れるという事が出来なくなるという事。
 起きて、食べて、喋って、寛いで、寝るという事が出来なくなるという事。
 笑って、泣いて、怒って、拗ねて、照れるという事が出来なくなるという事。
 恋して、恋患って、恋焦がれて、恋慕って、恋病む事が出来なくなる――――という事。

 もう一つは、世界から自分が感知されなくなる、という事だ。

 自分がいない世界でも、当たり前のように日は昇り、そして楽しい事や下らない出来事が毎日のように勃発し続ける。
 その中で、周囲の人間は、自分を忘れていく。
 認識はあれど、心に在らず。
 数多の"今"に塗り替えられ、いずれ形を失っていく。
 どれだけ大事な人の心からも。
 果たして、どちらが怖い事なのかと問われれば――――迷いなく前者と答えられた。
 一年前までならば。

 今は、ただ。
 自分の終わりが。
 動かなくなる身体が。 
 薄れ行く意識が。
 死が。
 

 あなたに苦痛と心労を与える事が、何より――――


■第一章 【梟と鷹】


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■第二章 【遠く速く】


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■第三章 【メトロ・ノーム】


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■第四章 【マビキ】


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第31節 第32節 第33節


■第五章 【交錯する宴】


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■第六章 【始まりの終わり】


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■第七章 【境界自壊】


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■第八章 【君、二つの矢を射ることなかれ】


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第41節 第42節 第43節 第44節


※17/06/08 舞台誤認によるミスの訂正のため第06節〜第10節を加筆・修正


■第九章 【星を読む少女】


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■第十章 【メトロ・ノーム戦線】


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■断章 【無駄無の弓】


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■Characters

 登場人物紹介


■Outlines

 あらすじ

 
あらすじ(アナザーサイトver.)改め「
リュリュ=ミントアークの突撃!薬草店(13/11/14up!)



 
 ●本作と同じ世界の物語を描いた作品
  
ロスト=ストーリーは斯く綴れり (完結) 
  
アクシス・ムンディの萌芽更新 (不定期連載中)
  魔王討伐!俺、英雄…だったはずなのに!? (書籍・全3巻) 宝島社刊/このライトノベルがすごい!文庫


 ●その他の作品
  寝落ちの君とワールズ・エンド (毎週木曜up!) 
  
落ちぶれ絵師の正しい異世界報復記 (完結) 
  
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