商人ギルド【ボナン】支部、道具屋【ユーティリティー】、武器屋【サドンデス】、
 そして――――薬草店【ノート】。
 いつの間にか、レカルテ商店街にまで戻ってしまっていた。
 この辺りにデュランダルを乗せる馬車があるとは思えない。
 闘技場から離れすぎている。
 結局――――デュランダルを見つけることはできなかった。
「……」
 沈痛の面持ちで、フェイルは天を仰いだ。
 数多の雨の粒を眼球で受けながら、それでも空を睨む。
 この理不尽は一体何だ?
 誰の仕業なのか?
 天に問いかけたところで、神の仕業などではないとわかっていても
 そうせざるを得なかった。
「フェイル? そんな所で何してんだい? こんな雨の中……」
 不意に、武器屋【サドンデス】の方から呼ぶ声がする。
 雨音でかなり聞き取りづらいが、女声であることは直ぐに把握できた。
 よって――――【サドンデス】の店主、ウェズ=ブラウンのカミさん
 であることは想像に難くない。
 フェイルとはウェズ同様親しい間柄だ。
「気にしないで下さい。偶には雨に濡れるのも気持ちいいですから」
「男はモノ好きだねえ。ウチのダンナも進んで買い物に出て行ったよ。
『豪雨は男のロマンなんだよパッパラパーが!』とかヌカしてさ」
「らしい話ですね」
「ま、そのロマンとやらで買い出しに行ってくれるのなら文句はないさね。
 アンタも風邪引かないよう、程ほどにね」
 呆れ気味に、それでも心配して忠告してくれるブラウン夫人に例を言い、
 フェイルは雨のレカルテ商店街を歩く。
 もうここにいても仕方がない。
 一端、闘技場へ引き返すしかない。
 そう次の行動を決めた矢先――――
「……?」
 フェイルの目は、不可解な光景を捉えた。
 食材店の前に、何かが倒れている。
 しかも、一つではない。
 複数の、普段道にはない筈の物が撒布している。
 大きさは――――人間くらい。
 そこまで把握した時点で、フェイルは『一つ』ではなく『一人』であることに気づいた。
 一人ではない。
 複数の人間が、豪雨の中道端に倒れている。
 恐らくは食材店に今日の食事を買いに来た人達が――――
「!」
 フェイルは、その中に見知った姿があることに気づく。
 毎日のように話しかけてくれる、気さくな男性。
 元傭兵で非常に締まった身体をしており、見分けはつきやすい。
 最近、メトロ・ノームに行き来していたりもして、会う機会がなかったが――――
「ウェズ……さん?」
 近づき、呼びかけるが返事はない。
 仰向けに横たわったまま動かない。
 転倒した拍子に打ちつけたのか、他に理由があるのか――――
 頭の周囲の水たまりには、微かに血の色が滲んでいる。
「ウェズさん……何してるのさ。風邪引くよ。カミさんに怒られるよ?」
 返事はない。
 いつもの彼なら、豪快に大声で笑い飛ばすはずなのに。
「ウェズ……」
 三度目の呼びかけは、途中で止まった。
 思考共々。
「何なんだよ……何が起こってるんだよ」
 最早――――フェイルはそう呟くしかなかった。
「一体どうなってるんだよ! どうして……こんな……」
 歯が砕けるほど顔を強張らせ、そう叫ぶしかなかった。
「こんな事にならなきゃならないんだよっ!」
 雨音にかき消されても、そう吠え続けるしかなかった。

 


 ――――この日。
 
 
 ヴァレロンは記録的大雨に見舞われた。


 死者、多数。

 
 その殆どは長時間雨に打たれ続けた人間に限定され、エル・バタラの決勝を
 観戦した者の多くが帰らぬ人となった。


 水滴の群れは間断なく落ち続ける。


 それは合図だった。


「ようやく、ビューグラスさんの長年の研究と努力が実を結びましたね。おめでたい日です」


 その場所は、深淵の闇に包まれていた。


 例え顔をくっつけても、その目の前にある筈の肌の色が認識できないくらい、深い、深い黒。


 灯りもなければ、陽光や月明かりの入り込む余地もない。


 そうなれば、必然的に色の入り込む余地はない。
 

 様々な色の絵の具を混ぜれば、必ずある色が全てを飲み込み、支配する。


 そう。


 何もかも塗り潰すのに、黒は最も都合が良い。


 それは、必然だった。
 

 こうなる事が自然であり、同時に妥当でもあった。


「では、ここに宣言します。『勇者計画』の第一段階完了、『花葬計画』の発動、そして……」


 薬草学。


 医学。


 魔術学。


 生物学。


 経済学。


 兵学。


 六つの分野を代表する権威たちの再集結も。


「高稀なる死と再生を司る、新しい価値の誕生を」


 全ては終わり、そして始まる。


 世界が永遠に生き続ける限り。


 人間がとこしえに――――





 


 ――――罪を背負う限り。















 that it's life disappears from this world has two meanings.
 firstly , It becomes impossible for me to perceive the world.

 the bottom line is……

 it is things not to see, to be unable to smell, to be unable to taste, and to be unable to hear it but to no longer be touched.
 it is things that it becomes impossible to be unable to get up, to be unable to eat and talk, to relax and to sleep.
 it is things for it to be unable to be moved to tears, to be unable to get cannot laugh, angry, and for it not to be peevish, and to stop feeling shy.
 It is things that it cannot ―――― fall in love.

 another one is ……

 it is that I am no longer perceived from the world.
 naturally, a day rises and a pleasant thing and a trivial occurrence continue almost every day also in the world in which he is not present.
 in it, the surrounding human being forgets me.
 although there is recognition, there is no heart.
 it repaints at much "now" and loses the form someday.
 i will be forgotten also from a very important person's heart.
 when being asked about which whether to be fearful sure enough, wavering and answering it as the former that there is nothing was completed before.
 that was right if it was before ―――― one year.

 now ……
 one's end is.
 one's weakening body is.
 one's consciousness who fades is.
 one's dead is.
 
 it is dreadful to give you pain and anxiet ――――




「Hello , our friend」





"αμαρτια"

#6

the end.










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